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鶏のあばら骨

sed scientia est potentia

奨学金制度の歴史

奨学金制度とは、経済的・社会的な理由により教育の機会を得るのが困難な者を対象として援助を行う制度である。以前は育英制度と呼ばれることも多かった。現在の日本の奨学金制度は、日本育英会法に基づき主として独立行政法人日本学生支援機構が担っている。

海外

海外における奨学金制度の歴史は古く、既にローマ法においてその名が見られる。今日的な公的な奨学制度は16世紀にイギリスで誕生したとされるが、20世紀に入ると民間の奨学制度も充実するようになった。アメリカではフォード、ロックフェラー、カーネギーといった財団による奨学事業が、イギリスではセシル・ローズの遺産を基金とした奨学事業(ローズ・スカラシップ)が特に有名である。特に後者はアメリカのフルブライト奨学金と並んで国際的な人材交流に貢献した。

日本

日本最古の奨学金制度は、8世紀ごろ律令制の下で設けられた歓学田の制度である。歓学田制度では大学の学生に食料を支給するために田地が与えられた。近代日本の奨学金制度はまだ幕藩体制が残る明治初期に登場した。いわゆる貢進生の制度である。諸藩は優秀な子弟に対して学資金を援助し、貢進生として江戸・東京の大学南校*1に送り込んだ。その後、時代ともに民間団体や旧藩による奨学制度が充実するようになった。

国家資金による奨学金制度が登場したのは、(大)日本育英会が組織された1943年のことであった。第二次大戦後の経済混乱期において民間の奨学金事業が停滞したが、日本育英会は少額の奨学金を広く貸与する方針を採った。これにより日本の奨学金事業費の大多数を日本育英会が占める傾向が生まれた。2004年、日本育英会は他の財団法人と共に統合され、独立行政法人日本学生支援機構となった。同機構の方針は旧日本育英会と同じく少額の奨学金を広く貸与するものである。同機構が貸与する奨学金の種類は、無利息の第一種奨学金と有利息の第二種奨学金に区別される(2015年1月現在)。

文献

日本育英会二十年記念誌 (1964年)

日本育英会二十年記念誌 (1964年)

*1:官立の洋学校。昌平坂学問所・開成所・医学所を統合したもので、現在の東京大学の法学部・文学部・理学部のルーツとなった。