鶏のあばら骨

sed scientia est potentia

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

孔子は自分の人生を10年区切りで振り返った

生涯 儒教の開祖である孔子は春秋戦国時代末期の魯国に生まれた。名は丘、字は仲尼である。父は魯の武将であったが孔子が3歳の頃に死んだため、しかも母が正妻ではなかったため、孔子は幼少期から貧しい生活を余儀なくされた。しかし苦難の中にあっても勉学…

老人の役を演じるのは難しいらしい|世阿弥『風姿花伝』

先日、ある劇団で演出家として活躍されている方とお話しする機会があった。劇団の法人化に伴う煩雑さとか、テレビ業界でコネを作っておくべき人たちのこととか、役者と研究者の共通点とか、興味深い話が多かった。その中でふと世阿弥が「老人の役は難しい」…

論文執筆に必要なことは大抵この本の中にある|戸田山和久『新版 論文の教室』

2月の中旬といえば、ほとんどの大学4年生は卒論の提出や口頭試問が終わった頃だろう。一方、3年生はインターンシップを含めた就職活動にいそしんでる人も多いだろう。この背景には、経団連の倫理憲章の見直しに伴って就職面接の解禁が4月から8月に繰り下げら…

元祖自己啓発本|ベンジャミン・フランクリン『自伝』

大学生の頃、お酒の席で後輩の女の子から「社長やコンサルタントが書いた自己啓発本やハウツー本が好きなのでおすすめを教えてください」と言われたことがあった。私は食い気味で『フランクリン自伝』を薦め、著者ベンジャミン・フランクリンの略歴と本書の…

元祖ロジシン本|デカルト『方法序説』

大抵の人がロジカル・シンキング(ロジシン)、あるいはクリティカル・シンキング(クリシン)の本と言われて思い浮かべるものは、おそらくビジネス書の類ではないだろうか。今はコンサルタントの肩書を持った著者の思考術の本がよく売れるらしい。中にはコ…

文献リストを公開するのは勇気が要る

私は自分の本棚や論文の文献リストを他人に見られるのが恥ずかしい。なぜならそれらから自分の知的水準が透けて見えてしまう気がするからだ。学術論文での先行研究をレビューする際には複数の文献を比較しながら残された問題を発見する必要があるのだが、そ…